結婚契約式

 婚姻契約登録書をまえに花嫁の父と登録人、それに花むこの父の三人が契約内容を確認かくにんし、それを登録人が書類にかきこみます。記入がすむと、花むこの父が、まず最初に花よめのところにいき、彼女にサインをもとめてきます。つづいて花むこ、保証人ふたり、登録人と書類がまわされ、それぞれ署名しょめいしていきます。五人の署名がおわると、ふだんはつかわない特別上等のお香がたかれ、その香煙のたちのぼるなかで花嫁の父と花むこがしっかり握手をかわします。一方、登録人は契約の内容をよみあげ、コーランの一節をおごそかにとなえて、式はおわります。

(「砂漠の結婚式」180-181頁より)

この記述に関連した最新の現地調査による研究成果は『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年』(河出書房新社、2019年)144-145頁「結婚」にあり