炭火アイロンを使う人びと(1970年代の活写)

 炭火を背中にのせた火のしを上手に使いこなして、ガージーの真白なアラビア服に、ぴしっとアイロンをかけている。町のクリーニング屋顔まけの見事な仕事ぶり。電気アイロンを使いなれてしまった私には、何回やっても、どうもうまくいかないしろものだ。石油埋蔵量、世界一のサウディ・アラビアに住みながら、依然として電気のない生活をしている人は多い。

(『アラビア・ノート』(ちくま学芸文庫版)、42頁より)

この記述に関連した最新の現地調査による研究成果は『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年』(河出書房新社、2019年)130-131頁「ラジオ、電話、アイロン―現代文明の恩恵」にあり

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