家の中に入るや、すぐ、アバーヤとよばれる頭のてっぺんから足首までのゆらゆらの黒いガウンを無造作に脱いで、日本の着物のように、作法に従って手早く長方形に折りたたみ、薄物の布でできたタラハとよばれるヴェールを顔からはぎとると、原色花模様などのまばゆいような長衣の衣裳である。
(「遊牧の女性―アラビアの砂漠に生きる人たち―」、186-187頁より)
この記述に関連した最新の現地調査による研究成果は『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年』(河出書房新社、2019年)90-91頁「外着アバーヤの変遷」にあり