ベドウィンのくらしとゆとろぎ

 「遊牧のベドウィンの人たちの生活を見ていると、(中略)はじめはそんなものなくたって生活していけるのにって思ったんですよ。だけど、あの人たちの生活というのはそれこそが目的なんですね。そうやってゆったりした時間をもつということが生活なんです。だから彼らからみればそれは生活必需品なんですね。(中略)コーヒーポットの柄をつかむのに、鍋つかみのようなコーヒーつかみを使うのです。それにとっても凝った刺繡などがしてあるんですね。ふだんそれをラクダの背のところに置いておいたり、テントのところに置いたり、装飾にもなってますのね。そういうふうに、私たちのいう必要と不必要が渾然一体となって、トータルに彼らの生活に全体として必要だということになっているんです。」

(「《対談》遊牧と農耕のモノの文化をたずねて」48頁より)

 

この記述に関連した最新の現地調査による研究成果は『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年』(河出書房新社、2019年)46-47頁「「ゆとろぎ」とは」にあり

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