ラジオや電話の普及とイスラーム型近代化

 技術の発展などを拒否しているかというと、そうではなくて、ラジオ、テレビ、いろんなものがどんどん入っているのですね。カーテレフォンとか、ポケットベルなどの一番普及しているのは、中東なんです。(中略)「これみんな日本製だ。いいものを作ってくれた、これで私達離れていても、家族の声が聞えるようになった」といいます。 お祈りの時間も、ラジオとか、テレビでいうようになったので、昔よりはお祈りがし易くなったともいいます。暖房、冷房の技術が進んで、断食がし易くなったというのですね。イスラーム圏では、イスラーム型の近代化といいますか、ある種のゆとろぎのある近代化が生まれています。

(「中東から世界を見る」、33-34頁より)

この記述に関連した最新の現地調査による研究成果は『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年』(河出書房新社、2019年)130-131頁「ラジオ、電話、アイロン―現代文明の恩恵」にあり

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